幽玄と美の妙に酔いしれる のべおか天下一薪能

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10月10日、延岡市の城山城址二の丸広場特設舞台で第19回のべおか天下一薪能があった。約2000人の観客は幽玄の世界、美の妙に酔いしれた(NPO法人のべおか天下一市民交流機構、延岡市、市教委主催)。今年の演目は半能「春日龍神」、狂言「棒縛」、能「項羽」。


はじめに、観世流能楽師シテ方の片山九郎右衛門さんとこども能楽教室の子供たちによる「春日龍神」が披露された。
京都高山寺の高僧 明恵上人は、釈迦への思いが募りインドへの旅を決意、春日明神を訪れる。しかし、春日明神の使者を名乗る神職が春日山に釈迦の一生を映し出し、明恵上人を思いとどまらせる。
演目では下中倫子さん(西階中2年)、広瀬夏海さん(西階中2年)、甲斐美乃里さん(西階中1年)、長渡亘さん(旭小5年)も出演。堂々と役を演じる子どもたちに観客から大きな拍手が贈られた。
狂言「棒縛」は、酒好きの召使2人が留守番の間、酒を盗み飲みしないように主人に縛られるが、それでも2人協力して酒を飲むという話。今年は、和泉流野村万作家狂言師 野村萬斎さんが出演。テレビや映画などで活躍する野村さんが演じる召使の滑稽な仕草は、観客の笑いを誘った。
能「項羽」は、古代中国、長江の上流で草を刈っていた男が渡船の老人から劉邦との戦いに敗れて自害した項羽と后の虞妃(くひ)の悲しい話を聞く。最後に老人は男に項羽の霊であると明かし、消えていく。
観客たちは、ライトアップされた石垣をバックに演じられる悲哀の物語に見入っていた。
会場の入口には、第1回目から携わり、今年の1月13日に亡くなった人間国宝 片山幽雪さんの写真が飾られ、訪れた人たちがのべおか天下一薪能の“父”に手を合わせていた。

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