出北(いできた)旧ばんば音頭を伝承する会

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【出北(いできた)旧ばんば音頭を伝承する会】(会長:岩佐保彦)

 ばんば踊りは、延岡地方に伝わる盆踊りです。独得の音頭・太鼓・踊りのコラボレーションは、延岡市民の心に深く根付いています。農民の雨乞い踊りが、ばんば踊りのルーツではないかと言われていますが、正確なところは分かりません。「ばんば」という呼称の由来についても明確になっていません。

 「旧ばんば」の呼称は、昭和37年(1962)に出来た「新ばんば」に対する便宜上の呼び名であって、正式な呼称は「ばんば踊り」です。

 新ばんば踊りの音頭は、旧ばんば踊りの音頭がもとになっていますが、旧音頭とは台詞もリムもかなり異なります。中でも出北地区に伝わるばんば音頭は、同じ旧ばんばでも、独自の台詞とリズムを持っています。

 出北地区の場合は、岩熊井堰と出北用水を構築した延岡藩主・牧野貞道の家老・藤江監物と郡奉行・江尻喜多右衛門の供養と感謝を込めて踊ります。音頭の台詞には監物、喜多右衛門の業績が織り込まれています。

 その音頭を絶やすことなく保存・伝承しようと、平成23年4月に「出北旧ばんば音頭を伝承する会」(岩佐保彦会長)を立ち上げました。

 キッカケとなったのは、平成20年、ばんば太鼓の指導者の一人・平野悟さんら旧ばんば踊りの伝承者を招いて開いた盆踊りでした。

 盆踊り終了後、「よそから人を雇って、ばんば踊りをしても地元のためにはならない。出北には昔から伝わる音頭があるのだから、出北の人たちで伝え残していくのが一番いい。そうすれば、もっと地区の活力が出ると思う」と、招請したばんば踊り伝承者から助言がありました。

 公民館長だった岩佐さんは「昔は音頭を唄う人がたくさんいた。その人たちがほとんどいなくなった。今のうちに公民館活動の一つとしてやれないものか」と、地区住民に呼びかけて出来たのが現在の組織です。

 出北地区の盆踊りや延岡市の伝統文化発表会などで披露するだけではなく、収穫の喜び子供たちに体験してもらおうと、数年前から大豆の種まきから収穫、味噌作りまで実施しています。

 また、平成23年度は文化庁の補助を受けて「出北旧ばんば音頭を伝承する会」の活動記録をまとめた小冊子を作りました。

 もちろん、出北地区の恩人・監物の墓参(日之影町舟の尾)、監物や喜多右衛門ほか先賢が祭られている出北観音堂での供養を欠かすことはありません。