櫂伝馬(かいでんま)踊り保存会

007

【櫂伝馬(かいでんま)踊り保存会】(会長:川崎博則)

 櫂伝馬とは、櫂(かい)で漕ぐ伝馬船のこと。櫂伝馬踊りは大武町(おおたけまち)に伝わる郷土芸能です。

 大武は江戸時代から昭和の初めにかけて港町として栄え、港へ続く通りの両側には、回船問屋や船乗りたちの宿、商店などが並び、港近くには造船所もあって、大いににぎわいました。

 回船問屋は何隻もの千石船を持ち、延岡から主に木炭、木材、椎茸などの山産物を関西方面へ運びました。

 櫂伝馬踊りは、海神を祭る船乗りたちの正月行事の一つ。港に出入りする千石船の航海の安全と、福が来ることを祈って行われる伝馬船パレードに伴う踊りです。

 踊りは、伝馬船に乗った左右4人づつ男衆が、一斉に櫂を漕ぎながら「ホーライエー エイヤ サッサノサッサ エイヤ エイヤ エイサカサッサ」と掛け声をかけながら千石船に近づき、年頭の挨拶をするというもの。

 しかし、千石船が消えていくのに伴ってすたれ、戦後は1951年に一度行われただけ。それも、河川改修事業編入祝賀行事の一つだったことから、漕ぎ手は左右6人ずつの特別仕立てで実施されました。

 このため地元大武でも、川面を漕ぎ回る櫂伝馬踊りを実際に見たという人は少なくなりました。

 平成9年、当時大武町の区長だった川崎博則さんは「このままでは、先祖が伝え残したものが完全に忘れ去られてしまう」と危惧し、近くの東海東小学校の協力を得て、同校児童による櫂伝馬踊りを復活させ、「櫂伝馬踊り保存会」を立ち上げました。

 平成10年2月、当時の6年生が延岡市野口記念館で開かれた生涯学習大会で初めて披露、喝采を浴びました。

 その後は4年生が演舞を担当、延岡市の郷土芸能大会やPTA研究大会などでも披露するなど、同小の名物芸能になっています。

 平成23年度は文化庁の助成を受け、櫂伝馬踊りの紙芝居を作りました。五ケ瀬川ネットワークの土井裕子理事長がプロデュース、絵はイラストレーターの森有美さんが描きました。

 初披露は6月7日、4年生56人を対象に同校図書室で開きました。子供たちは熱心に見入り、メモを取ったりしました。

 紙芝居は11枚から成り、櫂伝馬踊りが分かりやすくまとめられているだけでなく、千石船や伝馬船の紹介なども絵で示されていることから、低学年の児童にも十分理解できる内容になっています。